英語の検定は種類が多く、どれを受験するか迷う方も多いのではないでしょうか。今回は受験する検定を選ぶポイントと、注目の英語検定を目的別に9つご紹介します。ぜひ参考にしてください。
英語検定は9種類!選ぶポイント
まずは数ある英語検定のなかから、自分にぴったりの検定を見つけるポイントをご紹介します。
何の目的で受験するか
英語検定には、就職や転職でアピールポイントになるものや、海外の教育機関・企業で通用するものなど、それぞれに特徴があります。
その英語検定を受けることで、英語力をアップさせたいのか、仕事・留学に必要だから受けるのかなど、自分が英語検定を受験する目的を考えて、その目的にあった検定を選びましょう。
受験しやすいか
英語検定を選ぶには、受験しやすさも考慮しましょう。ポイントは試験会場へのアクセス、受験料、そして試験日です。
自宅から試験会場へのアクセスが悪いと、会場に着くまでに疲れてしまいますし、場合によっては前泊が必要となります。試験以外にも考えることが多くなってしまうと、試験に集中しづらいですよね。
受験費用は、レベルによって異なる検定が多いです。さらに上の級にチャレンジする予定のある方や定期的に受験して自分の成長を測りたいという方は特に、事前に受験料を確認しておくと良いでしょう。
試験日については、本番当日までにしっかり準備期間をとり、余裕をもって試験に望めるスケジュールであることが理想です。
検定の合否やスコアが、就職・転職活動や、海外留学・移住の申請に必要な場合は、検定の証明を提出する期限があります。受験してから結果発表までの時間も確認して、期限に間に合うようにスケジュールを組みましょう。
知名度はあるか
就職・転職活動でアピールポイントにするために英語検定を受験したいと考えている方は、その検定の知名度も大切です。
英語を勉強している人の間では有名でも、あまり英語に関心のない人には分からないという検定もあります。せっかく試験勉強をして合格したのに、採用担当者がその検定について知らない場合、あなたのスキルが伝わらないので残念ですよね。
あまり知名度は高くないけれど英語スキルを証明する検定を持っているという方は、履歴書に検定の説明を添えたり、面接で説明することでアピールしましょう。
【目的別】9種類の英語検定
それでは、英語検定を9つご紹介します。目的別に紹介していきますので、自分の目的に合った検定をチェックしてみてください。
自分の実力が測れる英語検定2つ
まずは、自分の英語力を測るためにぴったりの英語検定を2つご紹介します。
英検
・画像引用:英検 HP
『英検』は日本で最も知名度の高い英語検定と言っても良いでしょう。
中学初級程度を目安とした5級から、大学上級程度を目安とした1級まで7つのレベルがあるので、自分の英語力に応じた級を受けて、実力を試すことができます。
日常会話から社会的なテーマ、ビジネスシーンで使われる英語まで幅広く出題されるため、試験対策として英検の参考書を勉強するだけでも、多様な分野の英語を身につけることができますよ。
また、英検1級を取得すると、通訳案内士試験で筆記試験の外国語(英語)科目の受験が免除されるという特典もあります。
以前は「英検は日本の検定で海外では通用しない」というイメージがありましたが、現在は、北米やオーストラリアの大学や高校でも語学力の証明として認められています。
正式名称 | 実用英語技能検定 |
費用(税込) | ・1級:10,300円 ・準1級:8,400円 ・2級:7,400円 ・準2級:6,900円 ・3級:5,900円 ・4級:3,600円 ・5級:3,000円 ※本会場の場合 |
開催時期 | 年3回 (例年、1・6・10月ごろ) |
CASEC(キャセック)
・画像引用:CASEC HP
『CASEC』は、とにかく手軽に自分の英語力を測ることができる検定です。
オンライン上で24時間いつでも受験が可能で、試験も平均40〜50分という短時間で終わります。試験会場に行く必要もなく自宅で好きな時に受験できるので、忙しい方でも受験しやすいですね。
英語の検定は受験してから結果がわかるまでに時間がかかるものが多いですが、『CASEC』はテストが終了したらすぐに結果が分かります。
受験費用も3,667円と他の検定より安いので、定期的に受験して自分の成長を確認することができますよ。
また、『CASEC』は他の英語検定とテストシステムが異なります。多くの検定は、はじめから最後まで出題される問題が事前に決まっていますが、『CASEC』では問題の正解・不正解によって、その後に出題される問題が変わり、より正確に英語力を測ることができます。
正式名称 | CASEC(キャセック) |
費用(税込) | 3,667円 |
開催時期 | 24時間いつでも受験可能 |
就職・転職に活かせる英語検定3つ
続いて、就職や転職に活かせる英語検定を3つご紹介します。これらの検定を持っていると、自己アピールに使えますよ。
TOEIC
・画像引用:TOEIC HP
就職や転職に活かせる英語検定と言うと、真っ先に思い浮かぶのが『TOEIC』ではないでしょうか。それだけ知名度のある検定です。世界的に見ると日本と韓国での受験者が多く、海外で通用するというよりも国内でのアピールに有効です。
『TOEIC』には、以下の5種類があります。
- TOEIC® Listening & Reading Test
- TOEIC® Speaking & Writing Tests
- TOEIC® Speaking Test
- TOEIC Bridge® Listening & Reading Tests
- TOEIC Bridge® Speaking & Writing Tests
一般的に『TOEIC』というと、TOEIC® Listening & Reading Testを指します。Bridgeテストは、初心者・中級者向けのテストです。
入社や昇進、給与アップの基準としてTOEICスコアを設けている会社も多いので、『TOEIC』のスコアアップは、そのままキャリアや年収のアップにもつながりますよ。
また、『TOEIC』には「リピート受験割引制度」があり、一度受験申込をすると1年後の同じ月から3ヵ月間、割引価格で1度受験できます。1年毎に受験して、自分の英語の成長を測りたいという方には嬉しい制度ですね。
年に10回も開催されるので、自分のスケジュールに合わせて受験しやすいのもメリットのひとつです。
正式名称 | TOEIC® Listening & Reading Test |
費用(税込) | 6,490円 |
開催時期 | 年10回(1・3・4・5・6・7・9・10・11・12月) |
日商ビジネス英語検定
・画像引用:日商ビジネス英語検定 HP
『日商ビジネス英語検定』は、ビジネスに特化した英語力、英語での実践的なビジネス・コミュニケーションスキルを測る検定です。商社や海外取引のある会社で働きたい人には特におすすめです。
内容は、実際にビジネスの現場で使われる英語のメールやビジネス文書、海外取引に関するもので、ビジネスシーンに適した英語表現や、海外取引に必要な知識が試されます。
レベルは1級~3級があります。2級と3級は公式テキストがあり、問題もテキストに沿って出題されますが、1級はテキストが販売されていません。真の英語力が試される非常に難易度の高い試験ですが、その分勉強になりますし、合格すれば強いアピールポイントになるでしょう。
正式名称 | 日商ビジネス英語 |
費用(税込) | ・1級:7,330円 ・2級:5,240円 ・3級:4,200円 |
開催時期 | 月1回 |
Linguaskill Business(リンガルスキル ビジネス)
『Linguaskill Business』は、日本ではそれほど馴染みがないものの、欧州や東南アジア、中国など世界中で認められている検定です。50ヵ国の企業や団体が採用やスキルチェックの基準として活用しています。
内容は幅広い職種のビジネスシーンで求められる英語となっており、顧客への営業や社内の人事まで、ビジネスに関する様々なテーマから出題されます。
また『Linguaskill Business』は、Writingに自動採点を導入している珍しい検定です。ケンブリッジに蓄積されたデータを基に開発したアルゴリズムを使い、公平かつ客観的に採点をしてくれます。
正式名称 | Linguaskill Business |
費用(税込) | ・Reading & Listening Test:2,900円 ・Speaking Test:6,900円 ・Writing Test:3,900円 ※同時に申し込むと割引あり |
開催時期 | 年6回(4・5・6・7・8・9月) ※2020年度の場合 |
海外留学・移住に必要な英語検定4つ
ここからは、海外留学・海外移住をする際に英語力の証明として使える検定を4つご紹介します。
国や学校によって、同じ検定でも必要なレベルが異なることがあるので、ここに行きたい!という国や学校がある方は、事前に必要なレベルを確認しましょう。
IELTS(アイエルツ)
・画像引用:IELTS HP
『IELTS』は、英語力証明のグローバルスタンダードとも言える、世界中で通用するテストです。140ヵ国、合計10,000以上の機関で認定されており、海外留学や海外移住申請に使えます。
「アカデミック・モジュール」と「ジェネラル・トレーニング・モジュール」の2種類あります。目的が違うので、自分にあったモジュールを受験しましょう。
アカデミック・モジュールは、海外の大学・大学院に行きたい方向けです。大学の講義や論文など、学術的な内容を英語で理解できるかが評価されます。イギリス、オーストラリア、カナダ、ニュージーランドの大学・大学院に入学するためには、アカデミック・モジュールでの試験結果が必要です。
ジェネラル・トレーニング・モジュールは、英語圏で生活するために必要な英語力が測られるテストです。オーストラリア、カナダ、ニュージーランドに移住したいという方、または英語圏での就労・研修を希望する方向けになっています。
正式名称 | TOEFL iBT®テスト |
費用(税込) | 25,380円 |
開催時期 | ほぼ毎週(会場によって異なる) |
TOEFL
・画像引用:TOEFL HP
『TOEFL』は、世界150か国の11,000以上の大学・機関で活用されており、海外留学を目指す多くの人が受験する検定のひとつです。
大学・大学院で英語での授業を受けるために必要な英語の運用能力が評価され、科学や芸術といった様々なテーマのアカデミックな内容になっています。SPEAKINGやLISTENINGでは、大学教授と学生の間で交わされる会話のような、実際の学校生活を想定した問題も含まれます。
海外だけでなく日本の大学でも、入試や単位認定に『TOEFL』のスコアを活用する学校が年々増えており、今後も注目の検定です。
正式名称 | TOEFL iBT®テスト |
費用(税込) | $235 |
開催時期 | 月3~6回、年間45回以上 |
ケンブリッジ英検
・画像引用:ケンブリッジ英検 HP
『ケンブリッジ英検』は、日本ではIELTSやTOEFLほどの知名度はありませんが、世界的に通用する検定です。世界中の20,000以上の大学や機関で認定されており、イギリス、 オーストラリア、アメリカ、カナダでは、ビザの申請にも利用できます。
内容は幅広く、アカデミックなテーマだけでなく日常生活で使う英語からも出題されます。
また『ケンブリッジ英検』は、日本の英検のようにレベルによってグレードが分かれています。難易度の低い順に次の通りです。
- Pre A1 Starters (YLE Starters)
- A1 Movers (YLE Movers)
- A2 Flyers (YLE Flyers)
- A2 Key (KET)
- B1 Preliminary (PET)
- B2 First (FCE)
- C1 Advanced (CAE)
- C2 Proficiency (CPE)
どのレベルを受けるか迷う人は、公式サイトにオンラインで受けられる「英語レベルチェックテスト」があるので、一度挑戦してみましょう。
正式名称 | ケンブリッジ英語検定 |
費用(税込) | 試験の種類、受験場所による |
開催時期 | 試験の種類、受験場所による |
PTE Academic
・画像引用: PTE Academic HP
『PTE Academic』は、日本ではあまり知名度がないので、聞いたことがないという方も多いかもしれません。しかし、アメリカやイギリスなど世界40ヵ国以上で通用する検定で、オーストラリアとニュージーランドでは、ビザの申請にも使われています。
内容は、”Academic”という名前の通り学術的、かつ実践的なテーマから出題されます。
日本では、東京と大阪のテストセンターで受験可能です。約1カ月に1回開催され、5営業日以内に結果がわかるので、「急に海外留学・移住のための英語力の証明が必要になった」という方におすすめですよ。
正式名称 | PTE Academic |
費用(税込) | $220.00 |
開催時期 | 基本的に月に1回 |
9種類の英語検定の中から自分に必要なものを見つけよう
自分の英語力を測れる検定、就職・転職に活かせる検定、海外留学・移住に必要な検定、と目的別に9種類の英語検定をご紹介しました。
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