TOEICスピーキングテストとは？問題形式別の対策や効果的な勉強法

TOEICには、スピーキングのテストがあるのをご存じですか？リスニング・リーディングテストと比べてあまり馴染みがないかもしれませんが、TOEICスピーキングのスコアを活用することで、ビジネスシーンや就職・転職活動で大いにアピールできます。

この記事では、TOEICスピーキングテストの概要や問題別の対策、効果的な勉強方法をご紹介します。ぜひ、参考にしてください。

TOEICスピーキングテストの概要

まずは、TOEICスピーキングテストの概要について確認していきましょう。

以前は、スピーキングとライティング両方のテストを受験する必要がありましたが、現在はスピーキングテストのみを選択して受験することが可能です。

テストの形式と構成

TOEICスピーキングテストは、20分間の試験で11問の問題が出題されます。問題の構成は、以下のとおりです。

問題名	問題数／解答時間	問題の概要
音読問題	2問／1問につき準備45秒、解答45秒	アナウンスや広告などの内容の、短い英文を音読する。
写真描写問題	2問／1問につき準備30秒、解答45秒	写真を見て内容を説明する。
応答問題	3問／1問につき解答15〜30秒	身近な問題についてのインタビューや電話での会話といった設定で設問に答える。
提示された情報に基づく応答問題	3問／1問につき準備45秒、解答15〜30秒	提示された資料や文書に基づいて、設問に答える。
意見を述べる問題	1問／準備45秒、解答60秒	あるテーマについて、自分の意見とその理由を述べる。

公式サイトでは、評価基準や採点スケールも掲載されています。詳しく知りたい人は、チェックしてみてください。

テストの対策と構成｜Toeic Speaking Test｜【公式】Toeic Program｜IIBC

スコアの目安

200点満点で評価されるTOEICスピーキングテスト。どのくらいの点数をとっておくと、ビジネスでも活用できるのでしょうか？

一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会（IIBC）により行われた2019年「英語活用実態調査」によると、社員・職員に期待するTOEICスピーキングテストの平均スコアは、新入社員・中途社員で110点、技術部門・営業部門で120点、海外部門で140点でした。

IIBC公式サイトのスコアアレンジ評価一覧で、110〜140点の評価を確認してみると、以下のように記載されています。

110〜120点
「ある程度、意見を述べたり、複雑な要求に応えることができる。ただし、応答では間が長く、躊躇することが多い。使用できる語彙・語句の範囲が限られている。

130〜150点
「意見を述べたり、複雑な要求に対し、適切に応えることができる。しかしながら、少なくとも部分的に意見の根拠や説明が聞き手にとって不明瞭なことがある。」

出典：一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会「英語活用実態調査2019」
出典：スコアの目安｜Toeic Speaking Test｜【公式】Toeic Program｜IIBC

このことから、就職・転職の際に英語が話せることをアピールするには120点以上、英語を必要とする職場で活用するなら140点以上のスコアを目指すことが望ましいと考えられます。

TOEICスピーキングテスト問題形式別の対策方法

それでは、問題別の対策方法について、紹介していきます。

音読問題の対策

問題1～2は、音読問題です。画面に表示されたアナウンスや広告などの短い英文を音読するといった比較的簡単なパートとなっています。

準備時間にを活用する

音読問題では、解答までに45秒の準備時間があります。この準備時間をうまく活用するためには、実際に声に出して文章を読んでみるのがおすすめです。

つまずきやすい箇所がないか、どの部分を強調して読むのかなどを事前に確認しておくことで、解答のときにテンポ良く自然なリズムで音読しやすくなります。

わかりやすい自然な英語で読む

音読問題で得点を伸ばすには「わかりやすく聞き取りやすい英語か」「自然なイントネーションか」を意識することが大切です。

はっきりとわかりやすいイントネーションで、強調したい箇所はゆっくり強めに発音するなど、よりネイティブに近い自然な英語で音読することを心がけましょう。

ネイティブの発音を真似て声に出す練習をしておくと良いですね。

写真描写問題の対策

写真描写問題は、名前のとおり提示された写真の描写を英語で説明する問題です。

日頃から、見たものや感じたことを英語に変換する習慣をつけておくことがポイントとなってきます。

生活の中の風景を英語にする習慣をつける

「通勤中に見た風景を瞬時に英語にしてみる」「今日のランチのメニューを英語で説明する」など日常生活の中で、英語の説明の題材にできるものはたくさんあります。

日本語だとパッと出てくる単語でも、英語だとわからないということもあるかもしれませんが、それらを調べることで語彙力や表現の幅が鍛えられます。

解答の型を用意しておく

写真描写で頻出する解答の型を用意しておきましょう。何についての写真なのか、写真の中に何があるのかを説明する以下のテンプレートがおすすめです。

応答問題の対策

応答問題では、身近な問題や電話での会話といった設定で、インタビューに答えます。

質問自体はあまり難しくないですが、準備時間がないため、質問されたらすぐに答える瞬発力が必要です。

複数の答え方を準備しておく

質問される内容は「どのくらいの頻度でテレビを見ますか？」「好きなテレビ番組は何ですか？」などシンプルなものが多いので、質問に対する複数の答え方を準備しておくと、瞬時に英語で答えることができます。

どんなテーマが出題されても答えられるように、さまざまなトピックを想定して、瞬時に英語で答える練習を積み重ねていきましょう。

提示された情報に基づく応答問題の対策

応答問題と違い、このパートでは準備時間の45秒間に画面に表示された文書を読み、そのあとに3つの質問に答えます。

質問に対して的確に答えるだけでなく、45秒の間に文書の内容を理解するリーディング力も求められます。

英語の文書に慣れる

基本的な対策は応用問題と同じですが、問題の内容を瞬時に理解できるように英語の文書に慣れておくと良いでしょう。

文書を読む際は、まず全体をざっと読んで、余った時間に細かく詳細を確認していく方法がおすすめ。

慣れてくると「何ついての資料なのか」「どの段落に何についての情報源が書かれているのか」を瞬時に読み解けるようになってきます。

意見を述べる問題の対策

提示されたテーマについて、自分の意見とその理由を述べるという難易度の高い問題です。

話を展開するための構成をあらかじめ決めておくと、本番でも焦らずに自分の意見を伝えることができます。

準備時間にキーワードを整理する

準備時間30秒の間に、提示されたテーマの内容を把握し、頭の中でキーワードを整理しておきましょう。

文章化しようとするとあっという間に時間がなくなってしまうので、あくまで話すことのキーワードだけ決めておくことがポイントです。

話を展開するための構成を準備しておく

始めに結論を述べ、そのあとに理由、最後に結論といった展開で話を進めていきましょう。具体的に、以下のようなテンプレートを事前に決めておくことをおすすめします。

TOEICスピーキングテストの効果的な勉強方法

最後に、TOEICスピーキングの具体的な勉強方法について、ご紹介します。

リーディング・リスニング力を鍛える

まず始めに取り組むべきことは、リーディング・リスニング力を鍛えることです。

TOEICスピーキングテストでは、どの問題も英文を読んだり、聞いたりしたあとに質問に答えるようになっています。

そのため、これらの能力が十分でない段階からスピーキングの対策をするのは、非効率的です。

リーディング力を鍛えるには、英語の本を速読する習慣をつけること。リスニング力を伸ばすには、シャドーイング学習がおすすめです。

英単語の正しい発音を身につける

TOEICスピーキングテストでは、発音やアクセント、イントネーションも評価対象となるため、英単語の正しい発音を身につけることは、必須事項です。

英語の音声教材や、動画サイトなどネイティブの発音を真似て、繰り返し練習すると良いでしょう。

正しい発音かどうかフィードバックしてもらうために、英語アプリの添削機能やオンライン英会話を利用してみるのも、おすすめです。

TOEICスピーキングの問題に慣れておく

テスト本番までに、TOEICスピーキングの過去問や、参考書にも取り組んでおきましょう。

何度も繰り返し問題を解くことで、おおよそのレベルや問題の傾向がつかめて、本番も焦らずに質問に答えることができるはずです。

公式サイトからサンプル問題を解くこともできるので、チェックしてみてください。

TOEIC Speaking & Writing Tests サンプル問題に挑戦

スキマ時間もアプリを活用して学習する

通勤中や、寝る前の10分間などのスキマ時間も、手軽に学習できるアプリを活用していきましょう。

無料でも、スピーキングに特化したアプリは多数リリースされているので、自分のレベルに合ったアプリを選ぶと良いですね。

ゲーム感覚で行えるアプリもあるので、普段の学習とは違った刺激があり、息抜きにもなりますよ。

ポイントを抑えた対策でTOEICスピーキングテストに挑戦しよう！

TOEICスピーキングは、リーディングやリスニングと比べて知名度は低いかもしれませんが、グローバル化が進んでいる現在、ビジネスシーンや転職など、活用できる場面が増えていくと言えます。

お伝えした勉強方法や問題別の対策など、ポイントを抑えた学習でTOEICスピーキングテストでの高得点を目指しましょう！