「児童英検(英検ジュニア)と英検の違いは何?子どもにあう試験は?」この2つのテストは、子ども向けの英語試験として人気があります。しかしお子さんにどちらを受けさせれば良いのか悩む保護者の方も少なくありません。
そこで本記事では、児童英検と英検の違いと試験の選び方を解説します。
この記事はこんな方におすすめ
- 児童英検と英検の違いを知りたい
- 子どもにどの英語試験を受けさせるのか悩んでいる
- 児童英検と英検の特徴を知りうまく使い分けたい
児童英検(英検ジュニア)とは?
まずは、子どもの英語試験の中でも特に児童向けに開発された「児童英検」について紹介します。
児童英検(英検ジュニア)ってどんな試験?
「児童英検」とは、英語検定協会の英語リスニングテスト「英検Jr.(ジュニア)」です。2015年に試験名称を児童英検から「英検Jr.」に変更しました。現在は英検ジュニアと呼ばれることが多いです。
英検ジュニアは、英語の読み書きができない子どもでも取り組めるリスニングテストです。
英語検定協では、英検Jr.(ジュニア)を以下の通り定義しています。
英検Jr.(ジュニア)は、児童の英語能力の調査・研究を目的に、英語に親しみ、外国の文化を理解することを目標として1994年に開発した児童向けの「育成型ゲーム感覚」のリスニングテスト
引用:英検ジュニア 公式サイト
つまり、英語の学びとテストを兼ねた子ども向けの試験という位置づけです。テストに合否判定はないため、子どもが試験を受けるプレッシャーを感じにくいメリットがあります。
オンライン版が幼児・児童の英語学習に最適
英検ジュニアの受験対象は小学生ですが、英語を聞き取れれば未就学児が受けるハードルもさほど高くありません。
テストはオンライン版とペーパー版から選べます。2011年度から英検Jr.の公開会場は設定されていないため、個人で受ける場合はパソコンやタブレットを使ったオンライン版が主流です。
英検ジュニアオンライン版
プラン | 詳細 | 期間・料金(税込) |
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フルパック (ラーニング+テスト) |
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※グレードによって異なる |
ラーニング |
※英検ジュニアテスト費用は別 |
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テスト |
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英検ジュニアオンライン版の特徴は、子どもの英語学習からテストまでオールインワンで取り組めることです。パソコンやタブレット対応のドリルやゲームで英語のリスニング力をつけ、模擬テストや本番テストまですべてオンラインで完結します。
オンライン版の期間は1か月から6か月の間で選択可能で、延長する場合は追加契約も可能です。テストが不要な場合は教材のみのプランも選べますし、反対にテストのみを選択することもできます。
オールリスニングテスト
英検ジュニアは全てリスニングのテストのため、まだアルファベットが分からないお子さんでも始めやすいです。
テストは、イラストなどを見ながら英語を聞き、説明に合う番号を選ぶシンプルな解答形式です。英文を読んだり書いたりする必要はありません。子どもに勉強への負担感や受験ストレスを与えにくく、小さなお子さんでも取り組みやすいです。
オールカラーのテストのため視覚的にわかりやすく、子どもが軽い気持ちで英語テストに挑戦できるメリットがあります。
3つのグレードがある
英検ジュニアには「BRONZE」「SILVER」「GOLD」の3つのグレードがあります。
グレード名 | 詳細 |
---|---|
BRONZE(ブロンズ) | 英語の音やリズムに慣れて簡単な会話を理解する |
SILVER(シルバー) | 身近な日常会話を理解して簡単に応えられる |
GOLD(ゴールド) | 会話を聞いて意味を理解して質問したり、簡単な語句や文が読める |
BRONZE(ブロンズ)
英語が完全初心者の子どもの場合、簡単な挨拶や会話から少しずつ英語を学ぶ「BRONZE(ブロンズ)」がおすすめです。BRONZEテストでは、短い1、2文の会話や説明文が多いので絵が表すものを理解できれば、答えやすい問題が揃っています。
SILVER(シルバー)
次の「SILVER(シルバー)」は、日常会話で使われる簡単な語彙や表現を子供が聞いて分かるレベルです。対象を小学校の学年に当てはめると、3、4年生になります。
SILVERのテストも解答は選択制のためスピーキングテストはありません。しかし、望まれるスキルは2~3文の英文ダイアログを聞いて、簡単に応答できるレベルとなっています。
GOLD(ゴールド)
「GOLD(ゴールド)」は、少し長めの英語のダイアログを聞き取って理解しながら、必要に応じて質問できるレベルです。対象学年は小学校高学年にあたります。
英検ジュニアのテストでは、リーディングやライティングはありませんが、GOLDは簡単な英語の読み書きができることが望ましいです。
英検ジュニア は児童向けの英検のため、読み書きがおぼつかない英語初心者でもBRONZEからなら始めやすいです。また、学習を習慣化させて取り組めば、未就学児でも小学校の低学年でもGOLDを目指すことは難しくありません。
児童英検(英検ジュニア)と英検の根本的な違いとは?
児童英検(英検ジュニア)と英検には大きな違いがあります。具体的にみていきましょう。
学習促進テストと資格試験
そもそも英検ジュニア(旧児童英検)と通常の英検は、テストの目的と内容が大きく異なります。
試験名 | 英検ジュニア(旧児童英検) | 英検(実用英語技能検定) |
---|---|---|
目的 | 児童の学習促進 | 資格試験 |
受験対象 | 小学生低学年~高学年 | 中学生以上 |
テスト項目 | リスニングのみ |
|
所要時間 |
| 【一次試験】
|
評価方式 | 正答率 | 合格・不合格 |
受験方法 | オンライン・会場受験 | 会場試験 |
英検ジュニアと英検は、試験そのものの目的から違います。英検ジュニアは児童向けに開発された英語学習支援テストですが、英検は合否で評価される公的な資格試験です。
学習の一環として力試しで受けられる英検ジュニアに対して、英検の合格証は英語力の証明として使えます。
そもそも英検は、中学や高校入試で優遇される日本で最も認知度が高い英語試験です。学校や企業向けの団体受験「英検IBA」も多く行われているほどで、ほとんどの人が一度は受けたことのある試験と言えるでしょう。
受験対象の子どもは?
英検ジュニア(旧児童英検)と通常の英検では受験対象も違っています。英検ジュニアは、小学生向けに作られたテストで、英検は中学生から大人まで幅広い層が対象です。
ただしこれはあくまで目安で、実際は幼児期から英語を習っているお子さんが英検ジュニアを受けることはできますし、小学生でも英検の受験が可能です。
リスニングテストだけでの英検ジュニアの場合、英単語の読み書きができなくても聞き取りができれば受験できます。そのため、初めて英語にふれるお子さんを対象にしやすい試験です。
一方で英検は、入門レベルの5級でもリスニングだけでなく、文章を読んで問題を解くリーディングテストがあるため、語彙力が必要です。英検5級は英検ジュニアのGOLDよりも難易度が高く、英語の読み書きができる子どもを対象にしています。
試験評価方式の違い
英検ジュニアと英検では試験評価方式も違います。
英検ジュニアは、合否ではなく正答率が表示されるテストです。
例えば、「問題数45問中44問正解したら正答率97%」という具合にレポートカードに記載されます。正答率が80%以上になると、次のグレードのテストも受けられるようになります。
一方で英検は、一次試験から二次試験まで総合的な英語力を評価して合否が決まります。4級までは3択や4択の完全選択式で解答し、60~70%の正答率が合格ラインです。
英検の4、5級の場合、合否に関わる二次試験はありませんが、オンラインでスピーキングテストを受験可能です。
オンライン受験ができるか?
英検ジュニアは、インターネットがつながればどこでも受験できる「オンライン受験」が可能ですが、英検は会場試験のみです。
英語ジュニアの場合、英語スクールなどでの団体受験を除き、個人で受ける場合はオンラインテストが主流になっています。
一方で英検は、決められた日時に試験会場に赴いて受ける英語試験です。そのため、テスト勉強はもちろん、緊張やプレッシャーに対応する心構えが必要になってきます。
児童英検(英検ジュニア)と英検の活用方法とは?
お子さんに児童英検と英検のどちらを受けさせればいいのでしょうか?両方の試験についておすすめの活用方法を解説します。
英語に慣れるなら児童英検
初めて英語を習うお子さんには、英検ジュニア(旧児童英検)がおすすめです。
英検ジュニアなら、ゲームやクイズを通して英語に慣れ親しみながら学習できます。英語のアルファベットも分からない状態ですと「読み・書き」のハードルは無視できません。
英検ジュニアはその難点を取りはらい、小さなお子さんでも始めやすいテストです。早い時期から英語の音に慣れておくとリスニング力がつくため、後の英語勉強にも役立つでしょう。
リスニングとリーディングテストがある英検の場合、語彙の暗記を重視した学習になりやすいです。例えば、英検5級の対策をするにも一定の語彙力が必要になるため、単語を覚えなければなりません。そのため、小学校低学年の児童には難易度が高くなってきます。
英検ジュニアの学習ツールなら、英語の音を耳で拾って覚えていけるため体で覚えやすいです。子供の初めての英語試験で失敗したくない方は、英検ジュニアを検討してみてください。
学びとテストを兼ねるなら児童英検
小学校低学年が英語学習を日常化して英語力をつけるには、児童英検(英検ジュニア)の受験を目指した方が効率的です。理由は、ゲームなどの学習ツールで楽しみながら英語に取り組めて、挫折しにくいからです。
また、試験に関しても英検ジュニアは時間が短いです。小学生の集中力が続く時間は20分ほどと言われています。英検ジュニアのBLONZE(ブロンズ)のテストは30分と、他試験よりも短いです。
一方で、英検の試験時間は5級でも45分あります。実際は試験会場へ行くことと着席して待ち時間も考えると、試験だけに集中しにくい状況と言えるでしょう。
英語を本格的に学ぶなら英検
英語力の向上を目指しているなら、英検の受験を目標にした方が効率的です。
英語で生活している子どもではない以上、英語力の向上を図るには、語彙や文法、作文などの学習が必要になるからです。
その点、英検を目標に学習すると英語の「読み」「書き」「聞く」「話す」4技能をバランスよく学んでいく必要があります。とはいえ、英語完全初心者の子どもが最初から英検5級を目標にするには難しさが否めません。
そのため、英検ジュニアで英語に慣れてきたら、英検対策で本格的に英語を学ぶのがおすすめです。
児童英検(英検ジュニア)と英検の感想・評判を紹介
「実際が気になる」と言う方のために、児童英検(英検ジュニア)や英検を子どもに受けさせている人の感想を集めてみました。
児童英検(英検ジュニア)の感想・評判
児童英検(英検ジュニア)を受けさせている親御さんたちは、どのように感じているのでしょうか。英検ジュニアを受けている子どもの保護者のコメントからみてみましょう。
英検ジュニアブロンズのラーニングやってるんだけど、これすごくいい教材だなーと思う✨
既に知ってる単語が多くてリスニングもだいたい理解できてるから、ゲーム的に楽しく取り組めてる😊でも知らない単語もたまにあるので、焦らず練習したいな〜!
たきこみ (@mtsingalong) June 24, 2021
今日は英検ジュニアシルバーに挑戦。出来たかどうかちょっと気になるけど聞いてない。本人はなんとなく満足しちゅうみたいやき、えいか😊
YUKI (@yukky_pikapika) January 31, 2021
初めて英検ジュニアを受けてみた。ブロンズは軽くクリア。クリアというか…これ合否ないのね。試験を受けることよりも、模擬問題を何ヶ月も受けられることの方が子供の学習的な部分で意味があるように思えてきた。安価な英語教材としてはすごく価値がある気がしてる。
あめ (@momchild_eng) March 22, 2021
英検ジュニアをやらせてみようかなと思ってる
ママコアラ🐨ワーママ投資家 (@koalafamily123) August 11, 2020
書けない読めない君の息子に英検は無理なので!
ゴールドとれると思うんだけど、どーかなー。
今日はそれ調べる!
普通の英検受かってる子は神童だよね
うちはこんなもんです☺️
英検ジュニアの結果が来た!
MIZUHO (@mizuzu_t) March 16, 2021
息子の人生初テストの結果✏️✨
一問間違えただけでほぼ満点だった😱🙌
えっ?そんなに理解してたの?驚いたw親の知らないとこでめちゃくちゃ成長してた‼️
英語テストというよりは、英検ジュニアを良質の教材として捉えている意見が多く見られました。
また、オールリスニングのテストで「読み書きができない子どもでも受けられる」、また「続けるだけで成長を実感できる」など評価する声が多かったです。
やる気を持っている子どももおり、児童向けの英語教材兼テストとして評判がよいことが分かりました。
英検の感想・評判
英検については、英検ジュニアのゴールドに近い英検5級について、子どもに受けさせた人の感想や評判を紹介します
息子が英検5級合格。塾も通信教育もしておらず、家と学校で勉強しただけ。わかったことは、合否判定のでる試験は子ども合否を意識して試験で緊張する。中学受験など考えているお子さんは、ならしで英検を受けるのいいかもしれない。と思いました。参考レポート#英検 #中学受験
安田 歩 (@fiveforearth) February 12, 2020
長女が児童英検のBRONZに合格したとの事。秋に英検5級に挑戦するらしい、頑張れ
MasKIT (@jinandsieste) July 21, 2010
近年、英会話スクールだったり、英語の塾に通って英検5級目指しているまたは既に取得した児童が年々増加。
尾崎 (@ozaki0425_AAA) June 8, 2021
以前振り返りカードに「もっと難しいのがやりたい」と書く児童がいた。
ただ、我々教師陣は「いかに苦手な子を置いてけぼりにしないか」が大切だから、ご期待に添えなくて本当に申し訳ない。
英検は合否がある資格試験のため、子どもが場慣れしていないと緊張して実力を発揮できないことが多いです。しかし、中学受験を目指している子どもの場合、試験の緊張感に慣れる意味で英検がよいという声がありました。
また、最近は英語スクールや塾に通う子どもが増えています。英語が好きな子どもは、英検の対象年齢に関係なく合格していることが分かりました。やる気のある子どもは英検ジュニアから英検受験にステップアップする子どももいました。
児童英検(英検ジュニア)と英検を子どもの英語学習に役立てよう!
児童英検(英検ジュニア)と英検は、似ているようで内容はかなり違うテストです。しかし、テスト受験をすることで英語力の確認はもちろん、モチベーション維持にもなります。
お子さんの英語レベルや英語を学ぶ目的に合わせて、最適な試験を選んでみてください。