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2020年度、小学校で英語が必修教科になりました。進むグローバル化により英語の重要度は増す一方です。英語を幼児から学習するメリットは何でしょうか。また英語早期教育の具体的方法はどのようなものでしょうか。日本人の英語力や教育改革の現状も踏まえ、幼児の英語教育について解説していきます。

目次

幼児期から始める前に|英語教育の現状

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幼児期の英語教育の話に入る前に、まずは日本における英語教育の現状を見ていきましょう。

データで見る日本人の英語力

「日本人の英語力は、世界の中でも決して高い方ではない」というイメージは残念ながらその通りです。データから日本人の英語力は「世界平均以下」ということがわかります。世界共通の英語試験・TOEICとTOEFLのスコアを見てみましょう。

TOEIC 成績

TOEICで測るのは、日常生活やビジネスにおける「活きた英語力」です。国別平均スコアを見ると、全49カ国中日本は43位。受験者の平均スコアも世界平均636点を下回る523点でした。
※年間の総受験者数が500名以上の国のみ集計、2019年度
(データ引用:一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC))

TOEFL 成績

TOEFLでは英語圏(主に米国とカナダ)の大学・大学院に入学し学業を修めるのに必要な英語力があるかどうかを見極めます。日本の平均スコアは、受験者データのある170カ国中146位。スピーキングにいたっては最下位。アジアの国のみを集計しても、日本は下から3番目という結果です。
(データ引用:TOEFL iBT®Test and Score Data Summary 2019)

英語教育が必要とされる3つの理由

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グローバル化が加速し、世界共通言語である英語の重要性は高まり続けています。英語はコミュニケーションツールを超え、これからを生きるために不可欠な言語です。

英語は国際共通語だから

世界人口73億人のうち、英語人口は15億人。世界の「約5人に1人」は英語を使ってコミュニケーションをとっていることになります。これだけ多くの人が使う言語は他にありません。同じく話者人口が多い言語に中国語がありますが、中国語が通じるのは主に中華圏。それに対して英語は世界中いたるところで通じます。英語は国際共通語なのです。

英語をきっかけに異文化を理解し共存していくため

ご近所に外国の方は住んでいらっしゃいませんか。地方都市でも外国人が住んでいることは珍しくなくなりました。学校に外国籍や帰国子女のクラスメイトがいる光景も当たり前になりつつあります。日本語が達者でない保護者とのやり取りが必要になるかもしれません。お互いに理解し、気持ちよく共存していくためには、英語が欠かせません。

外国人に日本の魅力をより発信するため

日本の文化や歴史は海外において注目度が高く、実際に海外に行くと日本の文化について質問されることは多いです。その際に英語で自国や自分自身について伝えることができるとコミュニケーションの質が格段に上がります。

また、現地でのコミュニケーションに限らず、SNS等で発信する際にもコンテンツに英語を活用することで、閲覧者数を増やすことができるでしょう。

2020年の教育改革により英語教育が強化

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2020年施行の新学習指導要領で英語の教育が大幅に強化されました。グローバルに活躍できる人材の育成に力を入れるという国の宣言ともいえます。

小学生の英語教育改革

小学3・4年生から英語の学習が始まり、5・6年生では英語が「教科」になりました。教科になるということは成績評価がつくことを意味します。また5・6年生の内容には、従来中学英語で登場した内容も入っています。

中学生の英語教育改革

2021年度から始まる中学英語の改革では、難易度がかなりアップします。授業はすべて英語で行われ、単元学習時期の前倒し、学ぶ単語の増加(3年間で400~600語)等。当然、高校入試の出題傾向も変わってくることが予想されます。

高校生の英語教育改革

高校の英語教育は「4技能化」がキーワードです。従来の「読む・書く」に「聞く・話す」を加えた4つの技能を学ぶことになりました。大学入試改革も進み、英検やTOEICといった民間試験の活用も予定されています。

英語を取り巻く環境は、日進月歩です。
やはり早いうちから英語に触れさせた方が良いのかと気になる方も多いでしょう。

ここからは幼児期からの早期英語教育のメリットとデメリット、またオススメの教育方法について解説します。

幼児の英語教育 4つのメリット

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英語を早い時期から始めるメリットは4つあります。日本語の習得期でもある乳幼児期に英語にも触れることでより効果を期待できます。

幼児の英語教育メリット1. 「英語耳」の育成に効果的

赤ちゃんは音の聞き分けにとても敏感です。生後10か月~1歳程度で英語の子音の聞き分け(LとRなど)ができる能力を持っています。つまり生後半年前後から意識的に英語を聞かせ始めることが、ネイティブの発音を聞き分けられる「英語耳」の育成に有効だと考えられています。

幼児の英語教育メリット2. 「英語脳」の獲得に効果的

英語耳を獲得するにつれ「英語脳」も成長していきます。英語脳とは英語を英語のまま理解できる力のこと。1歳を過ぎると母国語とそれ以外の聞き分けが始まり、母国語以外を言葉として聞き入れる認識力が弱ってくると言われています。英語脳の獲得を目指すなら早ければ早い方が良いでしょう。

幼児の英語教育メリット3. 言語習得に必要な時間を十分に確保できる

米国国務省機関(FSI)の調査によると、日本人が英語習得に必要な学習時間は3000時間程度とのこと。中学・高校での英語授業時間は1000時間程度です。英語を身につけるためには残り2000時間の確保が問題となります。英語学習の早期スタートは、就学前から学習時間を積み上げていけるのです。

幼児の英語教育メリット4. 英語への抵抗がない

見るもの聞くもの全てが興味の対象なのが乳幼児期の子どもたち。新しいものに対する抵抗心がなく、英語の世界にもスムーズに馴染んでいけます。早いうちから英語になれ親しみ、好きになることで、その先は自ら進んで英語力を深めていくことができるでしょう。

幼児の英語教育 4つのデメリット

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メリットの多い幼児期の英語教育も、以下のようなデメリットを掲げ反対する意見もあります。ご家庭で納得感をもって教育を継続するために、デメリットと言われている点も知っておきましょう。

幼児の英語教育デメリット1. 論理的思考能力が育たずダブルリミテッドになる恐れ

ダブルリミテッドとは複数の言語を使用する環境にいるが、どちらの言語も年齢相応に習熟していない状態をさします。人は言語を使って考えます。言語が習熟していないと、思考力も言語レベル以上には伸びないと言われています。

ダブルリミテッドに陥りやすい環境として、一つの言語が確立されない時期での海外赴任や帰国子女、長期留学や教育移住、ハーフの子どもなどが挙げられています。対処法は、メインの言語を優先させることです。

バイリンガル教育は母語が成熟してからこそ効果を発揮します。早期の英語教育を焦ってしまうこともあると思いますが、論理的思考こそ、変化の激しい社会を生きる術といえるでしょう。ただ、日本で子育てをしながら英語に触れさせる程度であれば心配は少ないでしょう。上記で挙げた環境で子育てをする場合は、母語のケアを意識しましょう

幼児の英語教育デメリット2. 日本人としてのアイデンティティを失う恐れ

幼少期に外国語・外国文化に多く触れることで、日本人としてのアイデンティティが身につかない・失われるという意見もあります。これは家庭の役割が非常に大きい問題です。

英語と同時に日本語と日本文化を尊ぶ家庭の雰囲気があれば問題ないでしょう。外国語や外国文化と触れることで日本との違いに気づき、かえって日本人としてのアイデンティティ構築に役に立つという人もいます。

幼児の英語教育デメリット3. 日本社会における常識を身につけられない恐れ

プリスクールやインターナショナルスクールに通い日本人の集団生活を知らないまま育った子どもたちが、いざ日本の社会に入るときに文化や習慣の違いを指摘されることがあるようです。

前述のアイデンティティの問題と共通ですが、家庭や周囲で日本についての学びを深め、適切にサポートしていくことが大切です。

幼児の英語教育デメリット4. 親の英語学習強要により英語嫌いになる恐れ

英語早期学習は、親の希望に基づいて始まるものです。親の希望が先走りし学習を強要するなど、子どもが望まない環境になってしまう懸念があります

英語を好きになってほしくて始めたのに、英語嫌いな子になっては本末転倒。親の熱量だけが先行しないように気をつけましょう。

幼児の英語教育のポイント

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早期英語教育のポイントとお勧めの方法をご紹介します。大切なのは親子で楽しく続けられることです。子どもの興味と特性に合った方法を探していきましょう。

幼児の英語教育のポイント1. リスニングを中心に音遊びをしよう

乳幼児は視覚より聴覚の方が優位に反応するという研究結果があります。聴覚優位な乳幼児の特性を生かすことが、英語早期教育にも有効です。歌や音遊び、読み聞かせと言った耳から入るリスニングを中心にするとスムーズに始められます。

幼児の英語教育のポイント2. 遊び感覚で親も楽しみながら学ぼう

ママやパパが怖い顔で「やりなさい!」と言っていてはやる気は起きません。大好きなママ・パパが一緒に取り組んでくれるから楽しいのです。ゲームやパズルといった子どもが興味をもつ題材を上手に取り入れ、親子で楽しむ時間にすることが長続きの秘訣です。

幼児の英語教育のポイント3. 言語定着には右脳期から左脳期への移行時期がカギ

幼児期の英語学習を定着させるには「右脳から左脳への情報伝達回路の完成」がカギです。小学生前半がこの回路ができる時期で、言語学習における最適時期を表す「臨界期」とピッタリ重なります。
それまで右脳にインプットされた音声情報の英語を、言語や論理を扱う左脳で認識させること。ここからは英語が文字情報になります。この移行がスムーズにいくと、一生モノの英語力にが育ちます。
逆に右脳段階で終わってしまった英語力は、学習を止めるとすぐ消えてしまうことも研究わかっています。

幼児の英語教育を実践するには

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幼稚園や保育園で英語教育を行うところも多いですね。さらに英語力を高めるには、幼保以外の時間で英語に触れる機会を増やしたいもの。ここからは就園する子どもが多い3歳より前から英語教育をする場合にオススメの学習方法や習い事を紹介します。

幼児の英語教育実践法1. 子ども向け英会話スクールに通う

AEON LIDS(イーオンキッズ)

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(画像引用:イーオンこども英会話)
英会話のAEONのキッズクラスです。1歳から受講でき、耳の臨界期までに発音やリズム感を自然に習得できるカリキュラムが評判です。独自の「イーオンキッズアプローチ」という指導法で、「聞く・話す・読む・書く」の4技能が効果的に伸びていきます
季節ごとのイベントや発表会が多いのも、子どもたちにとってはお楽しみ!学習のメリハリにもなります。

シェーン英会話

シェーン英会話
(画像引用:シェーン英会話)
40年以上に渡って、英語のネイティブ講師が「英語を英語で教える」英会話教室です。子どもレッスンでもその方針は同様。ネイティブのリアルな発音を聞き続けた子どもたちは、どんどん英語力を高めていきます。工夫されたレベル別レッスンで無理なく始められます。また毎回宿題があり、家庭でもシェーン式英語に触れることで定着度が上がります。

幼児の英語教育実践2. 通信講座を受講する

ディズニー英語システム(DWE)

ディズニー英語システム(DWE)
(画像引用:ディズニー英語システム(DWE))
子どもたちが大好きなディズニーキャラクターがたくさん登場する英語教材です。飽きずに取り組めるよう歌やお話、カード、マジックペンなど、楽しい仕掛けが満載です。子どもの主体的な取り組みを促すアクティビティやアウトプットの仕組みも盛沢山で、子どもの興味にピッタリの教材が見つかります。0歳から始められます。

Worldwide Kids

Worldwide Kids
(画像引用:Worldwide Kids)
教育業界60年以上の老舗・ベネッセコーポレーションが作る、乳幼児から小学生向けのハイレベル英語教材です。グローバル社会で自己表現ができる子どもの育成を目指し、話せる英語の習得にこだわっています。登場する英単語はネイティブ並みの6,000語。また学んだ英語を実際に使ってみる場も全国各地で用意されています。ワンランク上の英語学習環境をお探しの方にピッタリです。

幼児の英語教育実践3. 市販教材を活用する

【LeapFrog(リープフロッグ)】フリッジフォニックスマグネットアルファベット

非ネイティブの子どもが正しい英語の発音を学ぶ方法のとして評判高い「フォニックス式」発音を学べる知育玩具です。アルファベット1文字1文字の正しい発音を聞き、歌で英語に親しみを深めます。

【株式会社イーオン】イーオンこども英会話監修 はじめてのえいごレッスンえほん(音のでる知育絵本)

単語だけでなく日常会話のフレーズを多く掲載しているので、日常で使用する会話表現を覚えることが可能です。英語オンリーのレッスンえほんで、英語脳を育てます

操作はタッチペンで、絵本に触れると、ペンに内蔵されたスピーカーから英語の音声が流れます。絵にも、文字にも反応するので、子どもの感覚的な操作で楽しむことができますよ。

【Goomies】(0-7歳)Goomies ENGLISH FOR KIDS 幼児英語 DVD グーミーズ

楽しいキャラクターが登場する英語の歌とアニメのDVD。1話約3分と短めのエピソードがテンポよく流れ、子どもたちも夢中です。英会話や単語、フラッシュカード、歌とバリエーション豊富。BGMにしても飽きません。

幼児の英語学習に役立つ書籍もチェックしてみよう

10万組の親子が学んだ 子どもの英語「超効率」勉強法

30年以上子どもの英語教育と発達研究に携わる筆者による「最小の努力で英会話ができるようになる学習法」です。言語学や脳科学に裏打ちされた方法は英語以外の学習にも好影響を及ぼすと評判。親がつきっきりで見なくてもできるため、共働き家庭に支持されています。

世界で活躍する子の<英語力>の育て方

著者はハワイで英語教材を開発し、アメリカ最大の教育リソースサイトで第2位にランクインするなど圧倒的な実力と実績を誇る教育者です。25年以上・4500人以上の生徒指導の中から見出した「ごく普通の日本人家庭でも実践できる、グローバル社会で本当に役に立つ英語力を身につける秘訣」をまとめた1冊です。

幼児の英語教育 まとめ

人間の脳の発達には言語習得に最適な時期「臨界期」があり、幼児期がピッタリ重なります。脳や耳が英語と日本語の違いに敏感に反応する臨界期を逃さず英語に触れる機会をつくることは、英語力の土台を築くために有効です。かけがえのない乳幼児期に親子で英語を楽しむ時間をつくってみてくださいね。







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