海外就労可能！TAFE留学のメリット・デメリット｜Co-opやワーホリとの違いも解説

「オーストラリアで働きたい」という方達の間で認知度が高まりつつある、TAFE（テイフ）留学。

TAFE（テイフ）とはオーストラリアの公立専門学校のことで、ビジネスの実践的なスキルや知識を学べる、いわゆる職業訓練校です。

卒業後は卒業ビザで現地就労することも可能なため、専門分野の習得と就労体験の両方を希望する留学生達からも、注目を集めています。

今回は、今話題のTAFE留学について解説します。ワーキングホリデーとの違いや年齢条件などにも触れていますので、TAFE留学に興味がある方はぜひ参考にしてみてください。

オーストラリアのTAFE留学とは？

TAFE（テイフ）は「Technical and Further Education」の頭文字で、オーストラリアに100校以上ある公立の職業専門学校を表す言葉です。

職業や業界のトレンドを素早く察知し、それに合った専門知識やスキルを身に付けられる点がTAFEの特徴で、生徒が即戦力となるような実践的なプログラムが幅広い専門分野で受けられます。

TAFEで学習している生徒の90％以上は現地オーストラリア人ですが、留学生を対象とした専門コースや英語コースも開校されているため、近年オーストラリアでTAFE留学をする方は増加中です。

TAFE留学の特徴

TAFE留学の特徴は、大きく分けて以下の4点。

• 職業スキルが身に付く
• 大学に編入できる
• 年齢層の幅が広い
• 卒業後にオーストラリアで就労しやすい

それぞれの詳細は、以下の通りです。

職業スキルが身に付く

TAFEの目的は語学の習得ではなく、各専門分野における即戦力となる人材の育成です。

行内には仕事現場を再現した施設もあり、実践練習を重ねながら学べます。また、地元企業との連携が強固で、TAFEの多くのコースにはインターンシッププログラムが組み込まれています。

大学に編入できる

TAFEで得た資格にもよりますが、コース修了後にそのまま大学編入も可能です。この場合、最初から現地の大学に進むよりも学費を抑えられるというメリットがあります。

年齢層の幅が広い

TAFEの学生年齢層は、10代から60代以上までと様々。

高校を卒業後にそのまま進学してくる若者はもちろん、学び直しやキャリアチェンジを目的として通う社会人もたくさんいます。

幅広い年齢層の中で、さまざまな友人ができるのが魅力的です。

卒業後にオーストラリアで就労しやすい

TAFEはいわゆる職業訓練校のため、就労に直結するスキルや知識が身につきます。また、企業との結びつきも深いため、在学中のインターンシップや卒業後の就労もしやすいです。

語学留学の場合、留学後にそのまま海外就労するのは非常に困難ですが、TAFEの場合は卒業後にオーストラリアで働く道が切り拓けます。

将来的にオーストラリアでの就労を目指している方にも、TAFE留学はおすすめです。

TAFE留学と語学学校の違い

語学学校への留学が語学力向上を目的としているのに対し、TAFE留学の場合は英語力があるのは前提で、その後のキャリアアップにつながる専門的な勉強をしていきます。

前述したように、TAFEは実践的なスキルや知識を学んで仕事に活かすことを目的とした学校ですので、授業を理解できるだけの英語力は入学前に身につけておく必要があるのです。

英語力に不安がある方は、TAFE留学する前に語学学校に入学して英語力を向上させてからTAFEに入学することも可能です。また、TAFEには付属英語学校を併設しているところも多いため、付属英語学校で勉強してからTAFEに入学するという手順もおすすめです。

TAFE留学はコースの種類が豊富

コースの種類が豊富な点も、TAFE留学の魅力です。下記に選べるコースをざっと挙げましたが、これだけの種類があれば自分のニーズに合ったコースも見つけやすいのではないでしょうか。

コース	例
ビジネス	会計・経理/ビジネス/ビジネス業務/コマース・商業/起業家精神/人事管理/リーダーシップと管理職/マーケティング＆コミュニケーション/不動産業
旅行・ツーリズム	航空管理・地上職/客室乗務員/イベントマネジメント/ガイド業/ホテルマネジメント/旅行とツーリズム
食・ホスピタリティ	栄養と食生活/パンと焼き菓子/クッカリー・調理師/食品科学/ホスピタリティ/パティシエ
美容・健康	栄養と食生活/ビューティーセラピー/臨床アロマセラピー/美容師/メイク技術/リメディアルマッサージ/スポーツ&フィットネス/ヨガ講師
教育・福祉	オーストラリア手話/地域福祉サービス/障がい者ケア/幼児教育と保育/高齢者サポート/メンタルヘルス/教員サポート/青少年の育成支援
コンピュータ・IT	サイバーセキュリティ/IT・情報/ゲーム開発/ネットワーク管理者/プログラミング/システム管理者/ウェブ開発
アート・デザイン	ファッションデザイン/グラフィックデザイン/イラストレーション/インテリアデザイン/ジュエリーデザイン/コスチューム作り/写真・デジタル画像/舞台・演劇/ビジュアルアート
環境と自然・科学	農業/バイオメディカル工学/保全と生態系管理/環境調査/園芸/ラボラトリー技術/景観デザイン/再生可能エネルギー技術/ブドウ栽培とワイン醸造
映像・メディア	ゲーム開発/ステージ演出・制作/音楽ビジネス業界/音楽作り・作曲/音楽パフォーマンス/音響制作/映像・メディア制作/映画・TV制作/VFX・視覚効果
動物	アニマルケア/動物看護
医療・看護	麻酔技術/歯科助手/歯科技工士/医療事務/看護助手/メンタルヘルス/看護/准看護師/歯科衛生士
建築・エンジニアリング	自動車整備士/ブロック/工建築デザイン/建築・建設業/家具作り/大工職人/土木建築・設計電子・通信エンジニア/エンジニアリング技術/メカトロニクス技術者/化学プロセスプラント技術/測量
海洋・水産	養殖業/海洋漁業/船舶エンジニア/航海士

TAFE留学で得られる資格と取得期間

TAFF留学を通して、様々な資格を取得することもできます。

卒業証明書レベルであるCertificateから、大学の学士号に次ぐ資格であるDiplomaやAdvanced Diploma、また大学の学位と同様のレベルのBachelor（学士号）まで、その種類は様々。

そして、そのどれもが特定の専門分野において知識やスキルがあることを証明する公的資格です。TAFE留学する留学生たちは、主にDiploma以上の資格を目標としています。

資格	期間の目安	概要
Certificate1～４（終了証）	4～18か月	その分野の基礎を学んだことを証明できる資格。
Diploma（専門士）	18～24か月	Certificateよりもより専門的な部分を学ぶコースで、履歴書にも資格として記載ができるレベル。コース終了時にはAdvanced Diplomaまたは大学へ進学も可能。
Advanced Diploma（準専門士）	24～36か月	Diplomaよりもより専門的な部分を学ぶコース。大学1年生が学ぶ内容レベルとして認知されている。
Bachelor（学位）	36～48か月	大学の学位と同様のレベルとなる資格。一部のTAFEで実施。大学を卒業したことと同様の資格として認められる

TAFE留学に年齢制限はある？TAFE留学をするための条件

TAFE留学には、ワーキングホリデービザのような年齢制限はありません。

その代わり、一定レベル以上の英語力が必要です。

TAFEに進学するための英語力は、IELTS基準で5.5ポイント以上。英語力が足りない場合は、TAFE付属の語学学校に入学して一定のコースを卒業することで、英語力のスコアが足りなくてもTAFE本科コースに入学できます。

TAFE留学のメリット

特徴を解説したパートと若干重複しますが、TAFE留学で得られるメリットについて改めてご紹介します。

TAFE留学で得られるメリットは、以下の通りです。

• 世界的に認められる学位の取得が可能
• 海外大学への留学よりも費用を抑えられる
• オーストラリアの現地での文化を体感できる
• 卒業ビザで現地就労できる

世界的に認められる学位の取得が可能

TAFEでは1200以上に及ぶたくさんのコースが開講されており、就職に直結できる実践的なスキルを身に付けることができます。さらに、それを証明する資格も取得可能です。

Diploma以上の資格を取れば、海外で働くうえでとても強い武器になることは間違いありません。

海外大学への留学よりも費用を抑えられる

TAFEは、オーストラリアの公立（州立）の職業訓練専門学校です。

政府が運営する州立の学校のため、大学並の施設を利用できながら学費はとてもリーズナブル。Bachelorまで取得すれば大学卒業と同等の資格を得られるため、通常の海外大学進学と比べて学費を抑えられる点も魅力です。

オーストラリアの現地での文化を体感できる

語学留学の場合、クラスメイトのほとんどが留学生かつ日本人といった状況になることも珍しくありません。しかし、TAFEの学生は90％がオーストラリア人です。

現地のオーストラリア人と共に学生生活を送ることで、現地のオーストラリア文化を身近に感じることができ、留学の大きな醍醐味を感じられるのではないでしょうか。

オーストラリアはもともと移民が多く、多彩な文化が混在する国です。ぜひ、多様な文化を満喫してください。

卒業ビザで現地就労できる

TAFEを卒業すると、卒業生ビザを取得できます。

卒業生ビザとは、オーストラリアの学校を卒業した留学生向けのビザで、18か月間（コロナ禍の現在は24か月間）オーストラリアでの居住や就労が可能になります。

卒業ビザでの現地就労期間中にスポンサーになってくれる会社を探せば、永住への道も開けますよ。

TAFE留学のデメリット

メリットの多いTAFE留学ですが、以下のようなデメリットもあります。

• 勉強についていくのが大変
• 留学中の就労は週20時間まで

勉強についていくのが大変

実践的なビジネススキルを身に付けることを目的としたTAFEでは、専門的な英語力を必要とされます。そのため、英語力が不十分な状態では、授業についていくのがかなり大変です。

留学目的が「オーストラリアでの生活をエンジョイしながら現地の学校にも通いたい」という程度であれば、TAFEではなく語学学校を選ぶことをおすすめします。

留学中の就労は週20時間まで

TAFE留学中は学生ビザになるため、就労自体は可能なものの週20時間までという制限があります。

稼ぐことを目的とする場合は少し物足りなく感じますが、TAFE留学中は勉強が相当大変ですので、そもそも週20時間以上働いている余裕はなさそうです。

その代わり、卒業して卒業ビザを得られれば、オーストラリアでフルタイムの就労が可能です。

TAFE留学とCo-op留学・ワーキングホリデーとの違い

TAFE留学とカナダのCo-op留学、TAFE留学とワーキングホリデーとの違いは、以下の通りです。

Co-op留学との違い

Co-op留学は、カナダの専門学校やカレッジ（2年生大学）で提供されている「学校での授業」と「企業との有給インターンシップ」の両方を経験できるプログラムです。

TAFEほどではありませんが、多様なジャンルの専門分野から専攻を選べ、学校で学んだ専門知識を生かして関連企業にインターンシップできるため、深くビジネスを学べるという点においてはTAFE留学と似ています。

ワーキングホリデーとの違い

ワーキングホリデーとは、18～30歳の方（国によって対象年齢は異なります）を対象に、提携国で就労しながら就学・旅行体験ができる若者向けの渡航プログラムです。

ワーキングホリデービザで渡航する場合も前半は語学学校に通って語学力を向上させる方は少なくありませんが、旅行をしたり現地で友達を作って遊んだりと自由度が高く、TAFEほど勉強することはありません。

ただし、就労時間には制限がないため、円安の近年は出稼ぎ留学としてワーキングホリデービザを取得する方も多いです。

年齢条件満たしていることが大前提ですが、短期間で一時的に稼ぎたいという方には、TAFE留学よりもワーキングホリデーでの方がおすすめです。

TAFE留学にかかる費用

最後に、TAFE留学にかかる費用についてもご紹介します。
TAFE留学するのにかかる費用は、大きく分けて以下の3種類です。

• 授業料
• 学生健康保険
• 現地滞在費

授業料

TAFEの授業料は、学校や専攻によって異なります。年間で12000～16000豪ドル、日本円で108万円～144万円）の学校が多いです。州立のため学費は安めに設定されています。（1豪ドル＝90円と計算）

学生健康保険

オーストラリアで学生ビザを申請する際は、OSHCという留学生健康保険の加入が義務付けられています。

保険料は月に50～55豪ドル（日本円で約4500円～5000円）で、留学期間中は保険料の支払いが必要です。

現地滞在費

現地滞在費は、どこに滞在するかによって費用が大幅に変わります。

シェアハウスを使えば比較的安価に住みますが、ホームステイや学生寮を利用する場合は倍以上かかることもあります。

現地での滞在費は、月に10～25万程度を見ておきましょう。

まとめ

TAFE留学は語学学校に比べて手軽ではありませんが、実践的なビジネススキルや知識を身に付けられるため、現地就労を希望する際にも、日本に帰国して就職・転職したい際にも非常に大きな武器となります。

TAFEの手続きは自分でも行えますが、ビザの取得やTAFEの入学手続きの準備に不安がある方は、留学エージェントのサポートを受けると安心です。

まずは、無料カウンセリングで相談してみることをおすすめします。