LCCは格安航空会社のことで、国内でも年々認知度が増し利用する方も増えてきました。
しかし、「どうしてそんなにお得なのか」「利用するためにどんな注意点があるか」と心配される方も多いのではないでしょうか?
この記事ではLCCのメリット&デメリット、そして国内全3社の特徴をご紹介しますので、LCCの特徴をよく理解してお得な航空券をゲットしましょう。
格安航空券を探しているならLCCがおすすめ
そもそもLCCとはローコストキャリアのことで、格安航空会社を意味する言葉です。さまざまな工夫でコストを削減し、低価格の運賃サービスを提供する航空会社のことを指しています。
アメリカの航空自由化をきっかけに登場し、世界各地にたくさん誕生しています。日本でも国際線だけでなく国内線路線を運行するLCCが登場したことで認知が高まり、ビジネスや旅行で利用する方が増えています。
今まで利用してきた大手航空会社とは異なるメリットやデメリットがあるので、条件をよく確認したうえで上手に利用すると満足できるでしょう。
大手航空会社やMCCとの違いは?
大手航空会社で名が知られているJALやANAは、LCCに対しフルサービスキャリア(FSC)と呼ばれています。旅客が満足できるようなサービスを提供したり、乗り心地の良い機材や座席を設定していて、運賃はLCCと比べて高い設定になっています。
また、ミドルコストキャリア(MCC)とは、その中間に位置付けられている航空会社のこと。路線を限定することで運賃を下げる工夫をしているため、JALやANAよりは低価格で、LCCよりは高い設定になっていることがほとんどです。
2021年10月現在国内運航をしているMCCは以下の4つです。
- スカイマーク
- エァ・ドゥ
- スターフライヤー
- ソラシドエア
LCCとMCCとの大きな違いは、サービス内容です。座席指定料金がかからなかったり、座席のピッチが広く乗り心地が良かったりと、ほとんどFSCと同等のサービスを受けられるのがMCCの特徴です。
LCCを利用するメリット&デメリット
LCCは運賃を安く提供するために、さまざまなコスト削減を行っています。そのためFSCの利用に慣れている方にとってはデメリットだと感じる部分もあるでしょう。
しかし、今までの航空運賃にはさまざまなサービスが含まれていて、例えば手荷物を預けず、機内食が不要でも、必要な方と同じ運賃を支払って利用するものでした。
それに対しLCCは、必要なサービスがあればその分の料金を別途支払うスタイル。つまり、必要の無いサービスの分お得に乗れるという仕組みです。特別なサービスが必要ない方やシーンによっては、LCCを利用する方がお得になるでしょう。
LCCを利用するメリット
LCCのメリットは運賃が安く設定されている点です。FSCやMCCとは異なり、さまざまなサービスにかかる料金をあらかじめ抜いた金額で販売しているので、特別なサービスオプションを付けない場合はかなりお得に購入できます。
安く購入するためのコツ
LCCの運賃は変動型です。利用日時や予約するタイミングによっても運賃が異なります。
基本的には、残席数が多いほど安く購入でき、残席が少なくなってくると高くなるという設定です。そのため、なるべく早い段階で予約をするのがお得に購入するコツ◎
また、FSCでも同じですが休前日や祝日などは運賃が高くなります。日程は気にせずお得に購入したいという場合は、平日を狙うのがおすすめです。
LCCを利用するデメリット
LCCを利用する場合のデメリットとなる注意点は、基本の運賃にはFSCのようなサービスに関わる料金が入っていないという点です。
例えば、荷物の預かり、座席指定、予約変更、機内食などのサービスはLCCの場合基本の運賃には含まれていません。
荷物の制限と料金の違い
機内持ち込み手荷物は以下に当てはまる場合は無料で持ち込みが可能です。これ以上になると別途料金がかかります。
LCC | FSC/MCC | |
サイズ | 3辺の合計が115cm以内 | 利用機材によって3辺の合計が100cmまたは115cm以内 |
個数 | 身の回り品を含め2個まで | 身の回り品を含め2個まで |
総重量 | 合計7.0kgまで | 合計10kg以内 |
また、FSCやMCCの場合、空港カウンターで預ける受託手荷物は、サイズの規定はありますがひとり当たり20kgまで無料です。
一方LCCの場合は、受託手荷物料金は基本の運賃には含まれていないため、別途料金を支払う必要があります。プランによって料金や条件が異なりますので事前に確認しておきましょう。
事前にインターネットで予約を入れておく方が、当日カウンターで依頼する場合より安く設定されています。
座席指定が有料
事前に座席を指定できる枠が空いていれば自由に好きな席を指定できるFSCやMCCとは異なり、LCCの場合は希望の座席指定は有料です。
機内サービスが有料
FSCやMCCであれば、おしぼりやドリンクの無料サービスが受けられます。しかし、LCCでは飲み物や軽食、国際線の機内食などは有料オプションとなるため、希望があれば事前に予約をしておく必要があります。
別途使用料などがかかる
LCCの最終的な支払い料金は、基本運賃と必要なオプション料金を追加した金額だけでなはいということも、事前に理解しておきましょう。
空港を利用するための「空港使用料」、支払い方法に応じた「支払い手数料」、国際線利用の場合は出国税などの諸税が必ずかかりますが、LCCの運賃にはそれが含まれていないため注意しましょう。
インターネット予約以外は、別途予約手数料がかかる点もLCCならではの特徴です。料金を抑えるためには、インターネット予約をするのが鉄則です。
予約変更や払い戻し
LCCの場合、運賃タイプによっては予約変更が有料だったり、払い戻しができなかったりする場合があります。また、払い戻しは現金ではなく次回利用できるポイントやバウチャーとして返金されるパターンもあります。
利用空港や搭乗口
LCCのデメリットとして、利用空港や搭乗口が不便なところにあるというのも挙げられます。
例えば東京発着は、羽田空港ではなく成田空港を使用します。東京駅からのアクセスは羽田の方が近く、リムジンバスなどの本数も多いため、成田へ行くのは不便だと感じる方も多いのではないでしょうか。
国内LCC3社比較&主な路線紹介
2021年10月現在、国内線路線では「ピーチ」「ジェットスター」「スプリング・ジャパン」の3つのLCCが運行しています。こちらではそれぞれの特徴や注意点、セール情報や主な路線をご紹介します。
ピーチ
・出典:ピーチ
ピーチは、日本初のLCCで、運行路線がほかの2社より充実しているところが魅力です。
運賃は変動制で、空席が多いほど運賃が低くなり、空席が少なくなってくると運賃が高くなる仕組みです。土日や連休は予約数が多いため、運賃は高くなる傾向があります。
カレンダー検索を利用すると、日別の最安値一覧を見ることができたり、セールやキャンペーン対象日も見つけやすいのでおすすめです。メールマガジンやSNSに登録しておくと最新の情報をすぐに入手できますよ。
ピーチには4種類のシートタイプがあり、それぞれ座席の指定をする場合は運賃形態によって追加料金がかかります。
「ファストシート」は最前列の座席で、足元のスペースが広く、お預け荷物の優先引き渡しがあるのが特徴です。ただし、足元に手荷物は置けないこと、肘掛けが上がらないことに注意しましょう。
そのほか、主に前方に配置されている「スマートシート」、中央と後方の窓側に配置されている「プレジャーシート」、後方の窓側以外の座席が「スタンダードシート」として分類されています。
運賃形態
ピーチには3つの運賃形態があり、スタイルに合わせて運賃が選べるのが特徴です。
とにかく料金を安く抑えたいという方には「シンプルピーチ」がおすすめ。手荷物を合計7.0kgまで無料で機内に持ち込むことができます。
受託手荷物、座席指定、変更手数料は有料になるので、荷物が少なく座席もお任せで良いというシチュエーションなら、もっともお得に飛行機に乗ることができます。購入期限が搭乗日2日前の23:59までとなるので注意しましょう。
「バリューピーチ」は、基本的なサービスが含まれていて特に人気のある価格帯です。合計7.0kgまでの機内持ち込み手荷物のほか、受託手荷物が1個、プレジャーシートとスタンダードシートの座席指定、フライト変更手数料が運賃に含まれています。
さらに、フライトキャンセル時の払い戻しは、運賃から取り消し手数料1,100円を差し引いた差額がピーチポイントとして返ってきます。購入期限は予定出発時刻の1時間前までとなっています。
荷物が多い方におすすめなのが「プライムピーチ」。合計7.0kgまでの2個の機内持ち込み手荷物料金のほか、受託手荷物を2個まで無料で預けることができます。
さらに座席指定はプレジャーシートとスタンダードシートに加えスマートシートの指定も可能です。フライト変更手数料は無料、キャンセル時には運賃全額がピーチポイントで返ってくるので予定が曖昧な場合にもおすすめです。購入期限は「バリューピーチ」と同じく、予定出発時刻の1時間前までとなっています。
セール&キャンペーン
ピーチでは定期的にセールを開催しています。あらかじめセール時期は公表されていませんが、予約期間と搭乗期間、路線がその都度限定されて開催されます。
例えば、2021年10月10日22:00〜10月12日21:59までの48時間限定セールでは、2021年10月24日〜2022年3月26日までの搭乗期間で東京(成田)大阪(関西)間の運賃が片道2,690円から販売されていました。
ほかの路線もかなりお得に購入できるので、セールの時期に予定を合わせたり、予定している日程でセールが開催されているかどうかを確認して、お得に利用しましょう。
また、片道運賃が999円から設定されている「シークレット1dayセール」や、2名以上の予約で2,000円オフになる「かぞく旅キャンペーン」、平日の日帰り往復航空券がお得に購入できる「ゼロ博」など、さまざまなセールやキャンペーンがあるのも魅力です。
ピーチの航空券を利用する方限定で、お得にホテルやレンタカーの予約もできるので、セールやキャンペーンを利用して旅の計画をするのも楽しいですね。
運行路線
ピーチの国内線運行路線(2021年10月現在)は以下の通りです。
- 大阪(関西)
⇄札幌(新千歳)
⇄女満別
⇄釧路
⇄仙台
⇄新潟
⇄東京(成田)
⇄福岡
⇄長崎
⇄宮崎
⇄鹿児島
⇄奄美
⇄沖縄(那覇)
⇄石垣
- 東京(成田)
⇄札幌(新千歳)
⇄女満別
⇄釧路
⇄福岡
⇄長崎
⇄宮崎
⇄大分
⇄鹿児島
⇄奄美
⇄沖縄(那覇)
⇄石垣
- 札幌(新千歳)
⇄沖縄(那覇)
- 福岡
⇄札幌(新千歳)
⇄沖縄(那覇)
- 仙台
⇄札幌(新千歳)
⇄沖縄(那覇)
- 名古屋(中部)
⇄札幌(新千歳)
⇄仙台
⇄沖縄(那覇)
⇄石垣
ジェットスター
・出典:ジェットスター
ジェットスターは、全国各地の主要都市を結ぶ国内線のほか、台湾や香港、フィリピン、オーストラリアなどの都市を結ぶ航空会社です。
運賃形態
ジェットスターの運賃は、残席数によって運賃額が変わる空席連動型なので、早めに予約を取ることがお得に購入するポイントです。
基本的には、エコノミークラスの基本運賃「Starter」に必要なオプションサービスを追加して、自分の希望のサービスのみに料金を支払って利用できるのが特徴です。
例えば、受託手荷物は搭乗者ひとりあたりフライト1便ごとに重量枠を5kg単位で選んで申し込みが可能です。当日カウンターでの申し込みより予約時にオプション追加する方がお得に設定されています。
別途1辺の長さが1mを超える大きな手荷物には、さらに追加料金がかかるので注意しましょう。ただし、車椅子やベビーカー、チャイルドシートなどのベビー用品は、チェックイン時に無料で預けられるので安心です。
機内持ち込み手荷物は2個の荷物を合計7kgまでは無料で預けられますが、さらにたくさんの荷物を持ち込みしたいという場合は、「プラス7kgオプション」の購入で、合計14kgまで持ち込みが可能となります。
事前座席指定を希望する場合は有料オプションを購入しましょう。「窓側や通路側が良い」「友達や家族と隣の席が良い」という場合は事前にウェブでの申し込みがお得。
足元のスペースが広いエクストラ・レッグルームシート、機内前方のアップフロント・シート、リーズナブルな価格で座席指定ができるスタンダードシートの3種類から選んで購入できます。
機内の食事や飲み物も別途有料オプションとなっていますが、国内線の飲み物や軽食・スナックは機内でも購入できます。
ジェットスター公式サイトからの予約にかぎり購入できるオプション「バウチャー払い戻しオプション」は、出発直前に旅行を取りやめても、指定の手数料を引いた額がオプション・フライトバウチャーで払い戻すことができるものです。
予約後には追加できないこと、払い戻されたフライトバウチャーには有効期限があることに注意して利用しましょう。
「どんなオプションが必要かわからない」「お得にいろいろ追加したい」という方には、オプションセットがおすすめ。
例えば「ちゃっかりPlus」は国内線で2,500円から追加可能です。こちらには、10kgまでの受託手荷物料金、スタンダードシートの座席指定料金、500円相当の機内サービスで使用できるバウチャーがセットされています。さらに予約変更手数料も無料になります。
更に充実したオプションが希望なら、国内線で4,500円から追加ができる「しっかりMax」や、フライトの変更やキャンセルが可能なビジネス向けオプションセット「フレックスBiz」のプランもあり、シーンに応じて自由に選べるのが魅力です。
またジェットスターは、ほかの航空会社や旅行会社のウェブ価格より高い場合は、その価格から10%値引きしてくれる「最低価格保証」制度があるのも魅力。
航空券と一緒に宿泊やレンタカーを自由に組み合わせて予約できる国内ダイナミックパッケージや、搭乗希望日と区間を選択しておき、運賃が下がった場合にお知らせメールが届く「プライス・ウォッチ」を上手に利用してお得な航空券をゲットしましょう。
セール&キャンペーン
ジェットスターでは定期的にセールを実施しています。あらかじめメール登録をしておくことで最新の情報を入手することができますよ。
例えば、2021年10月7日の17:00〜10月11日17:00までの販売期間で、2021年10月26日〜2022年3月10日までの搭乗分のセールでは、東京(成田)大阪(関空)間の運賃が片道3,390円から販売されていました。
また、旅を楽しくするさまざまなキャンペーンが豊富で、お取り寄せグルメが当たるキャンペーンや、行きの到着空港と帰りの出発空港を別にして三角のように旅する「サンカク旅」キャンペーンなどもあります。
シーズンによってどんなキャンペーンが実施されているのかをチェックしてから、旅の計画を立てても楽しいですね。
セール情報をいち早くゲットするならメール登録がおすすめです。また専用アプリならフライト検索から予約、チェックイン手続きまでスマートフォンで一括管理が可能なので、登録しておくと良いでしょう。
運行路線
ジェットスターの国内線運行路線(2021年10月現在)は以下の通りです。
- 大阪(関西)
⇄札幌(新千歳)
⇄東京(成田)
⇄沖縄(那覇)
- 東京(成田)
⇄札幌(新千歳)
⇄高松
⇄松山
⇄高知
⇄福岡
⇄長崎
⇄宮崎
⇄大分
⇄熊本
⇄鹿児島
⇄沖縄(那覇)
⇄宮古(下地島)
- 名古屋(中部)
⇄福岡
⇄沖縄(那覇)
スプリング・ジャパン
・出典:スプリング・ジャパン
スプリングジャパンは、成田空港を拠点に国内線3路線と中国への国際線7路線を運行している航空会社です。グループ会社でもある中国の航空会社「春秋航空」とは別の日本の航空会社です。
ほかのLCCでは運行のない東京(成田)から広島・佐賀路線を利用する方に特におすすめです。
スプリング・ジャパンを使用したお得な宿泊プランが「WILLER」を通して予約が可能で、場合によってはセットで予約した方がお買い得になることもあるので合わせてチェックしてみると良いでしょう。
運賃形態
スプリング・ジャパンの運賃形態は3種類あります。
一番お得でシンプルな「ラッキースプリング」は、基本の運賃に機内持ち込み手荷物が合計7.0kgまでが無料。別途有料で座席指定や変更・払い戻しもできるので、とにかくお得な航空券が欲しいという方にぴったりです。
「スプリング」は、機内持ち込みのほか、受託手荷物が20kgまで無料でついているプランです。変更や払い戻しの手数料が少しお得になることもポイントです。
飛行機を便利に利用したいという方には「スプリングプラス」がおすすめ。
機内持ち込みのほか受託手荷物が30kgまで、座席指定が無料でついているほか、変更・払い戻し手数料がさらにお得にできたり、機内用サービス券が500円分ついていたりとさまざまなサービスがセットになっているプランです。
セール&キャンペーン
スプリング・ジャパンも不定期ですがお得なセールやキャンペーンの実施をしています。
例えば、スプリング・ジャパン7周年の記念キャンペーンでは、2021年8月1日12:00〜8月7日23:59までの販売期間で、2021年9月1日〜10月28日までの搭乗分の国内線航空券が、片道777円で販売されていました。
購入はSPRING公式サイト会員への登録が必要なこと、また運賃以外に支払い手数料や空港設備使用料などを別途支払いが必要な点に注意して、上手にセールやキャンペーンを利用しましょう。
運行路線
スプリング・ジャパンの国内線運行路線(2021年10月現在)は以下の通りです。
- 東京(成田)
⇄広島
⇄佐賀
⇄新千歳
LCCを上手に利用して移動コストを抑えよう!
LCCのメリット&デメリットと、国内3社の特徴をご紹介しました。
LCCは基本的な運賃を割安で提供し、必要なサービスオプションは別途有料で追加できるのが特徴です。仕組みをよく理解し、自分に必要なサービス部分にのみ料金を支払うことで、お得に利用することができます。
予約日や搭乗日によっても運賃は変わってくるので、セール情報をこまめにチェックしたりほかの航空会社と条件を比べたりして、あなたにぴったりなお得な航空券を選びましょう。