飛行機での旅行を考えるとき、よく耳にするのがLCCという言葉です。「料金が安い」とは知っているものの、詳しい特徴を知らない人も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、LCCの特徴やメリット・デメリットを解説します。LCC利用を検討中の人は、ぜひ参考にしてください。
LCCとは「格安航空会社」の略
LCCとはLow Cost Carrierの略で、日本語だと「格安航空会社」です。その名のとおり運賃が安く、低価格での運行を実現するためにさまざまなコスト削減が行われています。
- ピーチ
- ジェットスター
- 春秋航空
- ZIPAIR TOKYO
- エアアジア
- サウスウエスト航空
- イースター航空
LCCを利用する人は2011年から2019年までの間に大きく増加しており、現在も国内外で大きなシェアを誇ります。2019年には国内線旅客の10.6%、国際線旅客の25.8%がLCCを利用しました(国土交通省発表)。
LCCが他の会社と違う特徴7つ
LCCがANAやJALなどの航空会社と違うのは、コスト削減のためにさまざまな工夫をしていることです。機内食が有料、受託手荷物に料金がかかるなど、知らなければ旅行当日に困ってしまうことも。
そこでここからは、利用する前に知っておきたいLCCの特徴を7つ、見ていきましょう。
機内サービスが有料
LCCでは、機内食や飲み物、毛布などのアメニティは基本的に有料です。これは、無料サービスを廃止することでコストを削減するため。会社によっては事前申告すれば持込できることもあります。
また、LCCでは座席指定や貨物室に預ける荷物にも料金がかかります。思わぬトラブルを避けるためにも、予約前に機内サービスの価格や持込ルールをチェックしておきましょう。最近は有料サービス込みのプランも増えているので、色々なプランを比較するのもおすすめです。
座席の間隔が狭い
LCCの飛行機では、座席の間隔が狭く、モニターなども設置されていません。シートリクライニングも浅く、なかにはまったく背面を倒せないことも。これはより多くの乗客を運ぶため、座席のスペースを節約する工夫なのです。
予約はインターネット経由がメイン
LCCのコストカットは、チケットの販売方法にも見られます。LCCの航空券を予約するときは、各社のwebサイトからの予約が一般的ですが、これはオンライン販売の方が窓口や電話予約よりも人件費が安いから。
24時間いつでも予約できるため、利用する側にも便利です。
大都市周辺からの発着が多い
地方の空港からの発着便が多いのもLCCの特徴です。
ポイントは、航空会社が空港に支払う料金にあります。空港を使うには着陸料・停留料を払う必要があるのですが、大都市近くのメジャーな空港は利用料が高め。都心周辺にある地方の空港を使うことで、より安く運行できるのです。
発着スケジュールがタイト
LCCは飛行機が空港で待機する時間をできるだけ短くしています。これはできるだけ多くの便を運行して効率を上げつつ、空港に滞在している間に支払う利用料も減らすため。
滞在時間を減らす取り組みとして、深夜や早朝の便も多く運行しています。
遅延・欠航時の対応は自社便振替か払い戻しのみ
予約していた便の遅延や欠航が発生した場合、一般的な航空会社では他社便への振替などの柔軟な対応をしてくれます。終日欠航など、日をまたいでの対応が必要な場合は宿泊場所の手配をしてくれることも。
しかし、LC Cで遅延や欠航が発生した場合、選択肢は基本的には自社の後続便に振り替えるか、払い戻しかの2択です。運悪く後続便が満席の場合は、空席のある便が来るまで待ち続けることもあります。
お得なセール・キャンペーンも
もともと低価格なLCCですが、キャンペーンによってさらに割安で利用できることがあります。過去には国内路線1,000円〜など、破格のセールが行われたこともありました。
ただし人気のチケットはセール開始後すぐに売り切れることも多いため、日頃から情報をチェックするのがおすすめ。セール情報はLCC各社のメールマガジンや公式SNSのほか、セール情報のまとめサイトからも得られます。
【事前に知りたい】LCCのメリット・デメリットとは
LCCは価格が安く気軽に利用できる反面、サービスや手続きなど意外な場面で手数料が必要になることもあります。ここでは、そんなLCCのメリット・デメリットをまとめました。
LCCのメリット
LCCのメリットは、何といってもその料金の安さです。下の比較表を見てもわかるとおり、各種手数料を含めても従来の半額程度で航空券が買えます。
- 東京(成田空港)発〜札幌(新千歳空港)着/大人1名(片道)で比較
- 早期割引、クーポン利用などはなし
- 土曜日(繁忙期ではない)に出発した場合の運賃
会社名
(★はLCC) |
運賃 | 支払い手数料 | 預け荷物料金 |
★ピーチ | 5,390円〜14,870円 | 210円〜670円 | 無料〜6,200円 |
★ジェットスター | 4,580円〜6,620円 | 620円〜670円 | 1,020円〜6,360円 |
★春秋航空 | 5,580円〜9,580円
|
600円 | 750円〜
プランにより無料預かり可 |
ANA
(普通席) |
20,070円〜38,820円 | 無料〜
(支払い方法・金融機関による) |
20kgまで無料
超過分は+2,500円 〜 |
※各社公式サイトより:料金は2021年9月2日時点のもの
※JALは検索不可のため記載なし
預け荷物の量を少なくすれば、よりお得に旅ができます。セールやキャンペーンも多いため、タイミングによってはさらに割安料金でチケットが手に入るでしょう。
LCCのデメリット
LCCのデメリットは、一般的な航空会社に比べてサービスが充実していない点です。
荷物や機内食などのほか、欠航・遅延時のアフターケア面も他の航空会社ほど手厚いわけではありません。場合によっては自分で後続便や宿泊場所の手配をしなければならないことも。
対策として、トラブルがあった場合はどうするか、色々なケースを想定して準備しておくと良いでしょう。LCCによっては、有料で各種保証やサービスを追加できることもあります。
- 駐車場・最寄り駅からチェックインカウンターまで遠いことがある
- 払い戻しの手数料が高い(プランによっては払い戻し不可)
- 各種サービスは有料(機内食・預け荷物・アメニティなど)
- 欠航・遅延時は自力で対応しなければならないことも
- マイルがつかない会社もある
LCCでの旅が向いている人の特徴とは?
LCCの利用が向いているのは、航空会社のサービスに頼らなくても、自力で臨機応変に対処できる人です。飛行機はあくまで移動手段と割り切って、サービスの削減に納得している人はLCCが向いています。
また、荷物の量が少ない人なら、さらに低価格で旅ができるでしょう。
- サービスは最低限でOK
- 急なトラブルにも自分で対処できる
- スケジュール変更はあまりない(払い戻しや予約変更をあまり使わない)
- 荷物の量が少ない
お得に旅したいならLCCがおすすめ!
この記事では、LCC(格安航空会社)の特徴やメリット・デメリットについて紹介しました。
LCCは従来の航空会社に比べるとサービスが少ないものの、できるだけ安く移動したいときには魅力的な移動手段です。メリット・デメリットをしっかりと理解して、旅のスタイルに合わせて使いこなしていきましょう。